本年度においては、三次元計測システムの構築・検証を行い、計測精度に関する検証を行った。正方小型紙マーカとは格子状に配置した4色の正方形を画像処理によって位置検出し、モーションキャプチャのマーカとして用いるものである。計測箇所との誤差を減らすために、薄型とし、紙シールに印刷を行って作成するものである。本年度では、この正方小型紙マーカの配色パターンを選定し、画像認識により個別のマーカの認識が可能なプログラムを作成した。また、プロジェクタとカメラを用いた3次元計測プログラムを作成した。これはストライプ状の画像を逐一表示し、計測対象へ投影し、カメラにより取り込んだ画像を等高線と見立てて計測する手法である。これらのプログラムを用いた計測実験を行い、紙を使用した薄型マーカの位置計測と形状計測による誤差について調査を行った。 当該研究分野において最先端の発表・展示が行われるSIGGRAPH2010国際会議(米国)及び、SIGGRAPHASIA2010国際会議(ソウル)に参加し、コンピュータグラフィックスにおける運動計測技術や形状計測技術、画像認識技術の最先端の研究などの発表を聞き、他の研究者との意見交換を行った。国際会議に参加し、本研究の目的とする運動計測技術や形状計測に関する研究は、他の研究と比べ新規性があり、今後さらに重要性が高まることを再確認できた。研究成果は2年度目に国際学会等で発表する予定である。
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