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2011 年度 実績報告書

斜面防災用無線センサネットワークにおける運用コスト削減手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22700111
研究機関立命館大学

研究代表者

原田 史子  立命館大学, 情報理工学部, 講師 (30454515)

キーワード自然現象観測・予測 / リモートセンシング / コスト削減 / 情報基礎
研究概要

現在,豪雨による山の斜面崩壊が問題となっている.斜面上に敷設したセンサネットワークを介して地中の間隙水圧値を取得・分析し,崩壊の予兆を検知するシステムが研究されているが,運用コストが大きいという問題がある.本研究では,(a)ネットワークノードの電池寿命長化,(b)故障・不通発見時の現地対応時期調整,(c)斜面崩壊予兆の判定基準の自動推薦の三つにより運用コストを削減する.
平成23年度の計画では,(a)-(c)について,実データでの評価に基づいて手法を提案する.しかしながら,評価に必要な適切な斜面のセンサデータ(以下研究対象データと呼ぶ)の取得が困難という知見が得られた.崩壊の予兆が存在する時,および存在しないときのデータが必要であるが,我々が運用したセンサネットワークはネットワーク運用の実現可能性を確認するプロトタイプであり,斜面崩壊が発生しない斜面で運用していた.そのため,代替データを選定して評価を行い,今後はこの代替データを用いることとした.
結果として平成23年度は(b)について,平成22年度までの成果を拡張し改善した.代替データと研究対象データの共通する性質である(1)センサ値が互いに関連する可能性があるセンサネットワークである,(2)センサデータによって特定の状況を検出できる,(3)全てのセンサデータを状況検出に用いる必要があるとは限らない,という性質を用いた運用コスト削減のための手法を考えた.検出対象状況を他のセンサによって推定し,当該センサのセンサデータと類似した変化をするセンサデータを持つセンサノード群を検出することで,必要なセンサノードのみを抽出する.これを斜面崩壊の予兆検知に適用する場合,予兆を直接検知できるセンサは利用できないため,例えば他の斜面で予兆が発見されたときに特徴的な変化を行った水分量のデータなどを比較用のセンサデータとして用いることが考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画では,斜面崩壊の予兆検知のためのセンサネットワークから得られた実際のセンサデータを評価に用いつつ,運用コスト削減手法を開発することを目指していた.しかし,実際のセンサデータでは斜面崩壊の予兆がなく,類似した代替データを用いざるを得なかった.まず斜面崩壊予兆検知のためのセンサデータと,代替データの共通する性質のみを利用した手法開発を行うことになったため,当初からやや遅れる形となった.

今後の研究の推進方策

今後上記代替データを用いて(a)-(c)の手法を提案する研究を特に(b)について継続する.ただし,代替データの性質が厳密に斜面上のセンサデータと一致するとは限らないため,代替データと斜面上のセンサデータの共通する性質を選定し,それに基づいて,9.研究実績の概要で述べた手法(a)-(c)を開発する.これにあたり,将来の斜面上のセンサデータへの拡張性についても検討する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Reducing Mainenance Cost of Mud Slide Prediction System with Categorization of Sensor Data in Sensor Network2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Kato, Yusuke Yokota, Fumiko Harada, Hiromitsu Shimakawa
    • 雑誌名

      International Journal of Advanced Computer Science

      巻: Vol.1, No.4 ページ: 127-133

    • 査読あり
  • [学会発表] 疲労検知に有効な加速度センサの組み合わせ評価2011

    • 著者名/発表者名
      加藤和弥, 原田史子, 島川博光
    • 学会等名
      情報科学技術フォーラム(FIT2011)
    • 発表場所
      函館大学(北海道)
    • 年月日
      2011-09-09

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公開日: 2013-06-26  

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