研究概要 |
本研究では,スクリーンに表示した映像をデジタルビデオカメラで違法に撮影する盗撮行為を防止する方式を検討した.電子透かしを用いた従来方式は,不正者による盗撮行為を心理的に抑止する効果はあるが,盗撮行為自体を防止できないという問題があった.提案方式は,人間とデバイスの分光感度特性の違いに着目し,人の視覚には影響を与えずに撮影映像にノイズを重畳する光源を映像表示側に組み込むことで,既存のデジタルビデオカメラに新たな機能を追加することなく映像の盗撮を防止することを目的とする.期間内の研究目的は,[目的1]人間とデバイスの分光感度特性の違いを利用した映像盗撮防止方式の検討,[目的2]ノイズ信号の除去攻撃を検知する映像盗撮検知方式の検討である. 平成23年度は,上記の[目的2]ノイズ信号の除去攻撃を検知する映像盗撮検知方式の検討を行った.平成22年度に検討した人間とデバイスの分光感度特性の違いを利用した映像盗撮防止方式では,赤外線カットフィルタを撮影機器に装着することで盗撮防止システムのノイズ信号を除去する攻撃が想定されるため,本年度は,赤外線カットフィルタによる近赤外線の反射特性に着目し,映像表示側でフィルタの反射赤外光を検知することで,当該攻撃をリアルタイムに検知する方式を検討した.具体的には,(2-1)フィルタ反射光のリアルタイム検知方式の検討,および(2-2)検知カメラの連携による高度なノイズ除去攻撃に対するリアルタイム検知方式の検討を行った.
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