研究概要 |
CT, MRI,共焦点レーザ顕微鏡など,画像撮影デバイスの発展により,人体や細胞等の空間領域を観測し,3次元画像(volume image)を取得することが可能になっている.Volume imageの観察には,3次元の画像を2次元ディスプレイに効果的に可視化する必要がある.また,Volume imageからより詳細な情報を抽出したり,シミュレーション用モデルを構築する際には,画像を意味のある領域を抽出する必要がある. 本年度前半は,1次元や2次元の伝達関数により,voxelの透明度を直観的に制御してVolume imageを表示するソフトウエアの開発を行い,共同研究先の医師や生物学研究者が利用できる環境を構築した.本年度後半は,Volume imageの抽出領域を,輪郭線編集により修正できるインタフェースを開発した.Volume imageの領域抽出は重要な作業であり,様々な全自動・半自動のシステムが存在するが,完全にユーザを満足させる結果には至っていない.提案システムを利用すると,既存手法により荒く抽出した領域データを基に,抽出エラーの有る部分を,2次元的な輪郭線の編集作業により効率的に修正できる.さらに,本年度は,教育・説明目的のアプリケーションのため,Volume imageから抽出した臓器の"動き"を実時間で計算する手法の研究開発も行った. 現在,医療機関や医療機器メーカーと共同研究を行っており,今後,本年度の研究成果の臨床応用可能性を探る予定である.
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