研究課題
学習者が実世界の中で体験を行い,実世界に根ざした知識を得る実世界学習の重要性が指摘されている.教室学習とは異なり,実世界学習は,空間的広がりをもつ実世界との相互作用を通してなされる点に特徴がある.よって,実世界学習において相互作用や学習効果を引き出す鍵は,実世界に他ならない.本研究課題の最終年度であるH24年度においては,次のように,これまでに開発した技術を発展させ,更なる技術開発,評価につなげた.【学習状況に応じた適応的な支援に関する研究】「実世界学習の場が,どのように多様な学習を引き出すか」という知識を組み込んだコンテクストアウェアシステムを駆動するためのフレームワークを開発した.そのために,「実世界学習の場が,どのように多様な学習を引き出すか」という実世界知識に関する,定量的な表現手法を開発した.また,実世界における学習者の状況に応じて,学習内容や支援方法を推定する技術について検討した.【手法の有効性の検証】京都大学フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地において取得した評価実験のデータを分析し,提案手法の有効性を検証した.データ分析は,質問紙,プロトコル解析,行動解析,センサデータの解析,ログ解析など,複合的観点から行った.そして,学習状況の工学的記述モデルの妥当性,提案手法の精度,学習支援効果に対する寄与を明らかにした.知識活動の検証においては,得られた知識の量を評価するだけでなく,得られた知識がどのように気付きや発見につながったのかという観点からも,評価を行った.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
情報処理学会論文誌
巻: Vol. 53, No. 4 ページ: 1433--1447