研究課題/領域番号 |
22700122
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石井 裕剛 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00324674)
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キーワード | 拡張現実感 / トラッキング / 自然特徴 / 精度予測 |
研究概要 |
本研究の目的を達成するためには、まず、トラッキングを使用する対象となる環境の詳細な3次元モデルを取得する必要がある。昨年度までに、電動雲台、レーザレンジファインダ、カメラを用いて環境の3次元点群モデルと色情報を取得する手法を開発したが、今年度は、より高精度かつ詳細なモデルを取得可能にするために、計測機器をキャリブレーションする手法を新たに開発した。本キャリブレーション手法は、キャリブレーションボード等の特殊な器具を用いないで実行できる手法であり、キャリブレーションせずに計測を実行して取得して得たデータのみを用いて自己キャリブレーションする手法である。これにより、機器の移動によりカメラやレーザレンジファインダ等の相対位置関係が頻繁に変化してしまうような厳しい環境でも、短時間で計測システムが使用可能になった。 一方、取得した3次元モデルを用いてトラッキングの精度を予測する手法に関しては、計測機器を用いて得た3次元モデルの穴埋めを行うアルゴリズムを開発した。本手法は、色付きの粗な点群モデルとカメラで得た多数の画像情報を用いて点群の間の領域を効率的に補間する手法であり、これにより、精度を予測したいトラッキング領域が、環境モデルが存在している領域に近いかつ計測位置から離れている様な場合でも、トラッキングの精度を予測できるようになった。また、トラッキングの精度予測の計算を高速化する手法として、トラッキング精度の評価ポイントを粗なグリッドから密なグリッドへと効率的に精緻化していくことにより、計算に必要な時間を削減する手法も実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では、平成23年度前半に「3次元環境モデルを用いた自然特徴点認識シミュレーション画像の生成」を行い、平成23年度後半以降に「トラッキングが可能な空間領域とその領域内での精度の予測手法の開発」を行う予定であったが、予定通り遂行することができた為、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は当初の計画通り、「実現手法の評価」として、実際にトラッキングを実施した際の精度と、シミュレーションによる予測と比較することにより、実現手法を評価する予定である。
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