研究概要 |
スクリーン上を押下することができ,かつ押下力の向きや大きさを検出可能な,没入型球面スクリーンの開発を行った. 押下力の検出には,。光弾性による偏光特性の変化を利用する.光弾性を持つ透明樹脂を球面スクリーン上に薄くコーティングすることにより,スクリーンを押下した時に反射してくる光線の偏光特性を取得することによって,押下状態を検出するというものである.しかし,スクリーン上に映像投影しつつ,偏光特性を検出するという構造上,光学的な相互干渉が生じるという問題が生じることがわかった.そこで偏光特性の検出に,可視光源ではなく赤外光源を用いることで,相互干渉を回避することが可能となった.また,偏光特性の変化の検出に高速カメラを使用することで,スクリーンを押下したときの偏光特性の変化を示すパターンを取得できることも確認できた.このパターンは押下力の向きや大きさによって異なってくるので,さらに高精度のカメラを使用することによって検出精度を高めることも可能である. 本研究で実現した押下力検出メカニズムは,大型化がたやすく,特殊な機器が不要であるため,産業用機器の触覚センサなど,さまざまな分野に応用が2期待できる.
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