研究概要 |
本研究は,当初の予定通り,対象とする市場メカニズムをこれまでに研究を進めてきた組合せオークションメカニズムに絞り,超高速組合せオークションメカニズム起動エンジンの超大規模化とさらなる動作の高速化に特化して遂行した. これまでにすでに,高速勝者決定近似アルゴリズムを,より一般的な問題形式である複数ユニットオークション(1つの種類の商品が複数個存在する場合)に対応させたプロトタイプアルゴリズムおよびその組み込みプラットフォームの試作と性能評価等を行ってきている.これらの成果は,すでにその一部および派生的な成果を国内学会および国際的な論文誌上にて報告しており,詳細な報告を次年度中に国際学会で行うべく準備を進めている. 複数ユニットオークション問題では,電力や環境物質排出権取引問題がモデル化できることが知られており,今後の世界レベルでの活用が期待されるところである.本年度の研究実施では,すでに試作したプロトタイプアルゴリズムを土台に,その大規模化のための改良を中心に実験的検証を行うための準備を進めた.同時に,クラウドコンピューティングインフラ上での活用が期待される高度分散型データベース管理システム技術や汎用グラフィックスプロセッサ(GPGPU)コンピューティング技術などの超高速処理技術を組み合わせることを考慮し,関連技術についての調査および準備的な実装を進めた.
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