研究概要 |
本研究の目的は,安全で利便性の高い生体認証システムを開発するために,生体情報の中に潜む認証のために利用可能な情報を統計的な解析により発見することである.研究期間を通して,以下を目標に研究を進めている. 1.生体情報中に,それが確かに生体から採取されたことを保証する情報を発見する 2.データ処理の効率化による認証精度向上の可能性を明らかにする 3.生体情報中に,時間の経過を示す情報を発見する 平成23年度は前年度に引き続き,上の項目のうち2ついて,生体情報の種類として指紋画像を対象に識別の高速化と高精度化を行った.指紋の特異点を利用した画像の分割による指紋画像の分類手法を提案し,処理時間と精度の間の効率的なトレードオフを得た.まず,画像分割のために有効な特異点抽出の手法を明らかにし,次に,提案手法による時間と精度の変化を実験により評価した.この成果は,それぞれ,国際会議および論文誌にて発表した.今後は,この成果を他の生体画像へと応用する予定であり,既に掌紋画像への応用で成果を得ている(未公開,国際会議論文として採択済).また,これらの研究の過程で,生体画像による個人認証に関する一般的な知識と実装のノウハウを得た.これについて,生体画像による個人認証の新しいフレームワークの提案にとして,国際会議にて発表を行った.これらめ知見やサンプルを利用して,上の項目の1や3を実現する情報を取得するための生体情報の採取方法を模索する予定である.
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