研究課題
本研究の目的は,安全で利便性の高い生体認証システムを開発するために,生体情報の中に潜む認証に利用可能な情報を,統計的な解析により発見することである.平成24年度は,生体認証に関する先行研究のうち,生体情報中の認証に有用な情報が不明な場合でも,生体情報間の類似度を利用して認証を高速に行う手法に着目した.この手法を掌紋画像と指紋画像に適用し,実際に高速な個人認証が可能であることがわかった.また,この手法の理論的な計算量の解析から,膨大な利用者数についての生体情報には効果的ではないことがわかった.これに対し,前述の手法を適切なデータ構造によって近似的に行うことで,認証精度を損なうことなく計算量を削減する手法を提案した.これらの結果はそれぞれ国際会議において発表した.これらの研究過程では,統計的な解析を行うための生体情報の数について,総数だけでなく1人あたりの数を考える必要があった.そこで,掌紋画像による認証について,1人あたりの生体画像の枚数と認証精度の関係を調べた.また,ここで得られた関係を用いて,生体画像による認証をICカードに実装する際の信頼性に関する指標を提案した.これらの結果はそれぞれ国際会議において発表した.以上の結果から,認証精度を向上させるために考慮すべき生体情報の最適な数を得ることができ,これが認証に有用な情報の潜在的な次元数であるという観点を得るに至った.これを用いることで,生体情報中の認証に有用な情報の具体的な候補を絞り込むことができると考えている.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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