平成24年度は次の課題に重点を置いて研究を行い,以下のような知見等を得た. ウェブ上に存在する地図や罫線文書等の平面データの表現方法および、共通するパターンの発見に関する研究として順序グラフパターンという新しいグラフパターンの提案を行った.順序グラフはデータの位置情報や接続情報を表現可能なデータ構造であり,各頂点間の接続関係に順序を与えたものである.順序グラフを用いることで,地図や罫線文書の表現がより容易になることが考えられる.順序グラフパターンは順序グラフに共通する構造を表現可能なグラフパターンであり,昨年度までに研究を行ってきた平面図パターンの拡張にあたる.順序グラフパターンを用いることで,平面図パターンでは表現できなかった構造が表現可能になり,新たな知識発見に応用可能であると考えられる.本研究では,順序グラフパターンの機械学習可能性と,それを用いたデータマイニング手法について考察を行った.機械学習可能性の考察,およびデータマイニングへの応用に関して順序グラフパターンと順序グラフの照合問題を解く照合アルゴリズムの提案を行った.照合アルゴリズムはグラフパターンがグラフの特徴を表現しているかどうかを判定する非常に重要なアルゴリズムである.本研究の成果について国際会議ILP2012において発表を行った. また昨年度までに研究を行ってきたTTSPグラフパターンのマイニング手法に関して,TTSPグラフとTTSPグラフパターンの照合アルゴリズムの改良と実装,および評価実験を行った.またその成果を用いたTTSPグラフパターンからの特徴抽出について発表を行った.
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