研究概要 |
効率的・効果的な航空宇宙機設計に供する新たな設計方法論である"設計情報学"創出のための三本柱のうち,多分野融合最適設計手法の高度化とデータマイニング手法を用いた知的設計情報抽出法に関する研究の二つの柱に関する研究を進め知見を得た. 前者に関しては,対象とする大規模問題(評価に掛かる時間,設計変数数が共に大規模な問題)に対しては,発見的手法を複数組み合わせ,各手法が独立して設計空間を探査した後,最終的にアーカイブを共有する方法が現状最も良い性能を有することが明らかとなった.亦,組み合わせ数は1世代に用いる全個体数に依存するが,1つの手法に付き最低4個体以上を確保すべきである.各手法は単体として日進月歩開発されている為,更なる改良を進める. 後者に関しては,自己組織化マップ,関数型分散解析手法,ラフ集合理論,決定木による方法論を検討し,各手法の特性を把握するに至った.自己組織化マップと関数型分散解析は単体での活用ではなく,組み合わせによる使用することが効率的であることが明らかとなった.一方で,ラフ集合理論や決定木は,設計変数空間に於いて,各設計変数の独立した一次元的情報,即ち個々の設計変数の上下限値情報しか得られず,現状では直截的な使用には不向きであることが明らかとなった.そのため,その効用を向上させるには,全設計変数に関する関数情報が得られるようなアルゴリズムを数学的に改良すべきである. 以上により,設計のためのシステムに目処が立った為,実際に供すべき航空宇宙機の問題定義が進行中である.
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