平成22年度は、AdaBoost検出器に基づく顔検出に関して、次のとおり研究を進めた。 1.瞳検出アルゴリズムの導出 瞳は顔を特徴づける一要素であるから、瞳の検出手法について研究を行った。この結果、Gaborフィルタに対して分割強調処理を加えることで外乱にロバストな瞳検出アルゴリズムを導出した。環境光や外部雑音による影響を受けることなく高速かつ高精度に検出できることを実証し、国際会議において発表した。 2.Boostingによる顔検出 (1)Boosting検出器の性能評価 Discrete AdaBoostならびにLogit BoostによるBoosting検出器を構築し、その検出性能をRIPおよびROP画像を用いて評価するとともに、主成分分析により構築した検出器において支配的に作用する特徴数を導出した。 (2)局所特徴による性能改善 局所特徴に着目するLBPおよびLDPオペレータによるBoosting検出器の性能改善に着目し、LDPオペレータに対してGaborフィルタを組み合わせたLGDPHS (Local Gabor Directional Pattern Histogram Sequence)オペレータを導出し、入力顔画像からの年齢ならびに性別推定をSVMで構築し、その性能を実証した。この成果については、IEEEの国際会議での発表が決定している。 (3)特徴量の比較評価 HoG、SIFT、SURFおよびFAST特徴量の導入による検出性能の比較評価を行い、外乱にロバストな特徴量を検討した。ここで得られた知見は国際会議に投稿予定である。
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