研究概要 |
1.計測システムの構築 高いQOLの実現に不可欠な移動・健康支援を行うアプリケーションシステムを開発するため,携帯電話端末やウェアラブル無線センサ(加速度計付心電計,脈拍計,深部体温計,温湿度センサ,測位センサ)を用いて個別の生体情報,行動情報,移動情報,環境情報を日常生活において計測するシステムを構築した.センサはすべて無線式として小型化を図り,長時間装着可能とした.センサの一部は,部品調達の関係上,23年度の完成である。このシステムにより,リアルタイムな活動度の算出と適切な移動手段の選定に必要な情報取得が可能になった.また,生活パターンや健康状態の計測・評価が可能となった。 2.移動・健康支援情報提供アルゴリズムの開発 行動の履歴や移動情報から個別の行動を認識し推定するアルゴリズムの開発を行った。また,日々の活動量や行動状態・健康状態に基づいて,個人に適切な移動・健康支援情報を導出するアルゴリズムの開発を行った.携帯電話のGPS情報や測位センサから移動履歴を取得するが,移動手段の選択肢や嗜好・習慣を考慮して移動分析精度や移動手段適切性を向上させるため,オンデマンド交通システムの利用履歴やDBのログを活用し,位置情報と通常の移動手段,1日の活動量,生体情報から推定される健康状態,個人属性情報および環境情報に基づき,適切な移動手段を導出するアルゴリズムを作成した.これにより,個別のリアルタイムの状態に応じた提案ができるため,受容されやすい健康を指標とした移動支援情報を提供することが可能になった。
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