研究概要 |
携帯端末やウェアラブル無線センサを用いて生体情報,行動情報,,移動情報,環境情報を日常生活において取得する手法を確立し、高いQOLの実現に不可欠な移動・健康支援を行うためのアプリケーションシステムを構築し、検証・評価した。 1.アルゴリズム及びシステムの改良 22年度に開発したウェアラブル無線センサをすべて完成させ、さらに、装着感やユーザビリティ等を向上させるための改良を行った。センサの装着負荷とデータ処理負荷を低減させるため、生活スタイルをモデル分類し、モデル毎に必要な装着センサを決定して、アルゴリズムも改良した。 2.システムの検証実験・評価 システム開発完成時期に変更が生じ、様々な利用対象者の属性に応じた移動手段選択性を確保でき、かつ、システムを利用可能なオンデマンドバス実証実験箇所の確保が困難であったため、システムを実際に利用した検証実験のかわりに、アルゴリズムによって導出される情報支援がなされた場合について、利用者アンケートにより検証を行った。また、適した対象者が確保できたものについては、システムの実証実験によりデータを取得した。この結果,、健康支援を考慮した移動提案は、健康の考慮、健康情報の付与をしない場合と比較して受容度が高いことが明らかになった。特に、健康志向が高い対象者や潜在的に移動支援を必要としていた対象者について、活動度が高まる効果が見られた。したがって、個別の状態に応じた移動手段の提案により活動量を確保し健康を支援することは、超高齢化社会において生活の活性化に有効に機能する可能性が高いといえる。よって、医療費削減、予防医療の促進のためにも、こうした移動・健康支援は重要であると考えられる。
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