本年度は、我々が計測原理から開発を行った、ppmレベルkHz領域の気体濃度の情報が読み取れる超音波式気体センサそのものの開発環境を富山大学で整えた。ボール盤、バンドソー、フライス盤と切削刃などの手作業による開発ツールの購入と、3D cadによるセンサ自動加工系の構築を試みた。今年度は主にセンサの信号処理系の自動化に取り組んだ。本提案センサは最適駆動位置を検出するためにμmレベルのセンサ位置制御が必要になる装置だが、発想を変え、周波数を微妙にコントロールすることでセンサが受信する信号強度を最大化する特別な信号処理回路の作成に成功し、ルネサステクノロジのH8-3052Fマイコン+高精度周波数カウンタ+EXAR社XR2206ファンクションジェネレータ+サーモボータによるポテンショメータ制御機構の仕組みを用いて、ボタンを一度押せば最適な計測ポイントへの自動微小周波数制御を行い、呼吸計測が簡易に行える環境を完成させた。本年度の結果は、IRIS2009国際学会においてBest paper awardを受賞し、paper invitationにより現在論文の投稿中であり、ROSE2010国際学会での発表、日本ロボット学会でもpaper invitationを受け、Advanced Roboticsの特別号への論文投稿を行っている最中である。3D自動加工系については、次年度の課題としたい。
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