| 研究概要 |
平成23年度は,可変焦点化を行うために,カメラの焦点位置,配置位置を制御することで光線空間を取得するために,奥行き推定の高精度化を目指していた.そのために,可変焦点レンズからの情報を用いて高精度な奥行き画像を生成する予定であった.しかしながら,震災の影響によりレンズの購入が困難であったため,ポストフィルタリングによる奥行き推定の高精度化を行った.
奥行き画像の高精度化のために,ポストフィルタリングによりいったん求めた奥行き画像を高精度化させた.そのフィルタの実現のために,ジョイントバイラテラルフィルタと呼ばれる,入力に画像と奥行き画像の2つの画像をとるフィルタを拡張,通常奥行き画像にぼけが発生するところ,それを抑制可能となった.加えて,その奥行き画像の高精度化を高速に計算するために,低解像度の奥行き画像を,リアルタイムに超解像することで,階層的な高精度化を可能とする,ジョイントバイラテラルアップサンプリングを基本とする拡張手法も提案した.
実験の結果,リアルタイムに奥行き推定を行い,また同時に自由視点画像合成,もしくは可変焦点画像生成を行えるようになった.自由視点画像合成の画像品質は,従来のリアルタイムに計算可能であった方法から1.5dBの向上を達成した.
その他,奥行き画像を符号化した時にこのフィルタにより符号化歪みがある程度除去されることや,その仕組みを使ったネットワークを通じた自由視点画像のリアルタイム伝送実験を行った.また前年度から引き続き低解像度,高解像度カメラを混合したカメラから高解像度の画像をもつ自由視点画像を合成する実験を引き続き行い,更に1dBの向上を達成した
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