研究概要 |
平成22年度は骨伝導光マイクロフォンを用いた最初の検討として,MRI室内で発声・採取した信号を用いた検討を行った.そこでまず,被験者4名を対象とした信号データベースを構築し,得られた信号の時間周波数分析を行った.骨伝導光マイクロフォンで採取した信号と加速度ピックアップで採取した信号を比較したところ,骨伝導光信号において従来の骨伝導音よりも高い周波数特性が得られることを確認するとともに,音声認識を用いた評価でその有効性を定量的に示した.これは,当初計画していた平成22年度の計画内容である防音室内の検討を予備実験と位置付け,23年度予定していたMRI室内の検討を前倒ししたことによる.これは,比較的早い段階で防音室の検討が進んだことと,骨伝導光信号の明瞭化を平成23年度の計画として実施するためである.明瞭化は骨伝導音における最大の解決事項であり,円滑な会話を実現するためには必要不可欠な課題である.そして,より明瞭な音声コミュニケーションを実現し,MRI撮影時の音声コミュニケーションをより円滑にすることを目指す.そして,当初計画していた以上の成果を達成を図る.以上のことから,交付申請書に記載した研究の目的また研究実施計画を鑑みたとき,当該年度に実施した研究成果は妥当であるといえる.
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