研究概要 |
DLPデバイスとLED光源を用いた高速度プロジェクタを利用して,200Hzで動作する高速度アクティブビジョンシステムを構成した.申請時の計画では,市販のデータプロジェクタが持つ高周波ノイズパターンを動的光源とする方法を提案していたが,研究開始後に任意パターンを高速度で投影可能なデバイス(TI社製Light Commander)が入手可能になったため,研究実施期間を延長して,研究計画の一部を変更した.具体的には,申請時の計画(1)に挙げた,市販のプロジェクタに固有の不安定なノイズを利用する方法に代わり,グレイコードなどの2進符号化パターンを用いた安定な方法を提案した.計画(2)に挙げた光学機器の幾何校正手法に関しては,手作業が一切不要な完全自動の方法を提案し,国内外の会議にて成果を発表すると共に,プログラムを研究代表者のホームページ上で公開した.さらに自校正の方法論を拡張してStructure From Motlon法の研究を行い,屋内外における人間の3次元位置と姿勢を,単眼の一人称視点ビデオ映像から取得する方法を提案した.計画(3)の3次元計測技術に関しては,(1)の計測システムを用いて,空間コード化法を用いて最大60Hzで距離画像を取得する方法論を明らかにした.並行して,局所識別性の高い空間コードを提案し,多段動的計画法を用いた大域的最適化手法とGPUを用いた並列計算手法を提案し,単一光源と単一カメラを用いた最小構成のアクティブビジョンシステムを用いて,複雑な形状の距離画像を実時間で取得する方法を示した.
|