研究概要 |
本年度は,ロボットおよび環境内センサデータ取得のフレームワークの構築の一部として,ネットワークプログラムコンポーネントおよび,そのコンポーネントの管理プログラムを構築した.コンポーネントでは,センサデータ取得や,ロボットの速度制御,上位的な情報としての人やロボットの位置情報の取得などに合わせたインターフェイスを設計した.これらにより,センサやロボットに対して汎用的にアクセス可能な機能を実現した.また,管理プログラムでは,センサ及びロボットの種別等の特性情報および,センサのセンシング範囲やロボットの形状を長方形などの簡易な幾何情報として,情報を保持し,それぞれの情報を取得可能な機能を構築するとともに,センサの種別や,位置情報をもとにセンサを選択可能な機能についても実現した.実験環境として,レーザーレンジファインダ(LRF)を廊下に複数配置したモジュール,既存の床センサモジュールからなる,環境センサを配置した空間を構築した.また,差動二輪型の移動ロボットを用意し,センサモジュール,ロボットともに,フレームワークを適応し,コンポーネントを実装した.フレームワークの利用例として,環境センサとロボットデータを協調させて,ロボットの自己位置同定を行うソフトウエアを構築した.ソフトウエアでは,ロボットの位置に応じて,管理プログラムへの問い合わせにより,センサを自動的に切り替え,ロボットから取得したデータと統合することで,精度良くロボットの位置同定が可能になるものである.このソフトウエアおよび構築した環境による実験により,フレームワークを利用することで,センサデータの取得,コンポーネントの選択が正しく行われることについても検証・実証した.
|