研究概要 |
本研究では,ロボットによる物体の拘束およびあやつりを,力学に基づいてではなく,幾何学に基づいて実現する,幾何ベーストロボットマニピュレーションに関する研究を行っている.力センシングや力制御を必要としないあやつり方法の開発により,ロボットによるマニピュレーションのレパートリーを増やし,ロボットが活躍できる場を拡大することを目指している. まず,多指ハンドにより三次元的に物体をケージングする「三次元多指ケージング」について研究を行い,自律ロボットによりケージングを行うシステムを開発した.これは,物体に貼付されたマーカをカメラで観測することにより物体およびその位置・姿勢を認識し,動作計画アルゴリズムでアーム・多指ハンド系の動作を自動生成することで物体をケージングするもめである. また,ロボットだけでなく壁などの環境を利用して物体をケージングし,目標領域まで運ぶ「環境を利用したケージングマニピュレーション」についても研究を行った.物体を運ぶためのロボット動作の計画アルゴリズムを開発し,実機移動ロボットにてその動作を確認した. また,剛体部と柔軟部を組み合わせたハンドにより,剛体部でケージングによる物体拘束を保証した上で,柔軟部で把持を実現する「ケージングベースト把持」の提案を行った.その成立条件の定式化を行うとともに,導出した条件に基づいて,実際の多指ハンド系によってケージングベースト把持が実現できることを確認した.
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