研究概要 |
本研究では,ロボットによる物体の拘束およびあやつりを,力学に基づいてではなく,幾何学に基づいて実現する,幾何ベーストロボットマニピュレーションに関する研究を行っている.力センシングや力制御を必要としないあやつり方法の開発により,ロボットによるマニピュレーションのレパートリーを増やし,ロボットが活躍できる場を拡大することを目指している. 剛体部と柔軟部を組み合わせたハンドにより,剛体部でケージングによる物体拘束を保証した上で,柔軟部で把持を実現する「ケージングベースト把持」については,多様な物体への適用を図った.具体的には,二次元形状では従来の円形物体に加え,楕円・三角形・長方形についてケージングベースト把持の成立条件を導出した.そして,導出した条件を利用して,実際に円形ロボットにより把持を実現できることを確認した.また三次元形状では従来の球形物体に加え,トーラス体・亜鈴状物体・円筒(中空/中実)・楕円体・直方体についてケージングベースト把持の成立条件を導出した.そして,導出した条件を利用して,実際に多指ハンドにより把持を実現できることを確認した. また,「環境を利用したケージングマニピュレーション」の概念を応用して,多指ハンドの手の中で物体を初期位置から目標領域まで移動させる,「In-Handケージングマニピュレーション」についても研究を行った.2本指の実機ハンドを用いて,円形物体を手の中で移動させることが可能であることを確認した.
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