研究概要 |
本研究の全体構想は人間が特にスポーツする際にみせるダイナミックなモーションを人間共生環境下で活動する倒立二輪型ロボットによって模倣させることを実現することである. H22年度はまず,上下半身の2リンクを持つ倒立二輪型移動ロボットをシミュレータを開発し,行動学習手法の1つの方策勾配法を用いて蹴球動作が学習可能であることを確認した.次に,環境中の人間の動作を観察し,人間の動きをロボット自身の動作にマッピングするための視覚・画像処理システムを構築した.蹴球動作を行う人間の観察から得られた動作を初期値として,前述の方策勾配法を用い,ロボットのダイナミクスにあった蹴球動作を獲得し,人間の動作を模倣できることを確認した.しかし,人間の動きを模倣しようとしても,リンク構造や身体ダイナミクスが大幅に違うため,どのように人間とロボット自身のリンク構造のマッピングをとるかが問題となる.ここでは,ロボットが上下半身の2リンク機構を持っていることから,画像上の人間が映っている領域を,適切なパラメータで2つに分け,上下半身にマッピングする手法を開発した.さらに,このマッピングパラメータはロボットが模倣する上で非常に重要なパラメータであることを実験によって示し,模倣と観察を繰り返すことによって,模倣学習に最適なパラメータ値を探索可能であることを示した. 実ロボットでの実験へ向けて倒立二輪型台車を制作し,また,より人間動作の模倣を行いやすいように,小型ヒューマノイドロボットを導入し,それぞれの制御器を構築中である.
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