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2011 年度 実績報告書

道具使用と統語法に共通する階層的な制御構造の理解へのロボットからのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 22700203
研究機関関西大学

研究代表者

荻野 正樹  関西大学, 総合情報学部, 准教授 (00397639)

キーワード階層モデル / 道具使用 / ロボット
研究概要

本研究課題では道具使用を行う階層ネットワークの実現を目的にしている.昨年度は,想起ネットワークの提案を行ったが,各階層に記憶されている情報は静的な情報であったため,長期の時系列情報を想起することには向いていなかった.そこで本年度は,時系列情報を扱うモデルとして2つのモデルの認知的応用についての研究を行った.
一つは身体表現に関するモデルである.この研究では上位層のニューロンほど時間的,空間的に広い情報を表現するという仮説のもとに,ロボットが環境との相互作用の経験から得られるセンサ情報を階層的に統合するモデルを提案した.各階層ではセンサ情報から低速に変化する特徴量を抽出し,それを繰り返すことで自律的にマルチモーダルな表現を獲得できる.シミュレーション環境において獲得された表現が強化学習の状態価値を獲得しやすい空間になっていることを示した.もう一つは,リカレントモデルによってラットのT字迷路タスクにおける海馬-大脳皮質-大脳基底核の関係を表現した.モデルは,海馬における分岐構造を反映した反復想起や,分岐点ヘアプローチする場合の想起を模擬する.また,海馬による想起を大脳基底核による状態価値を合わせることで報酬予測できることを示した.
一方で,以上の2つのモデルについて,道具使用への適用に向けての問題点も明らかになった.前者のモデルでは,上位表現から下位表現への情報の流れの処理については考慮されていないためパターンの生成が難しい.後者のモデルでは,記憶することができる情報のパターンが限られており,道具使用に見られる再帰的な時系列パターンを生成することができない.最終年度では,これらの問題点を解消し,道具使用を可能にする階層モデルの提案を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年は異動があり研究・教育環境の立ち上げにかなりの労力が割かれたため.

今後の研究の推進方策

最終年度は,初年度に提案した階層モデルについて時間的順序を考慮したものに拡張し,言語情報処理に適用することを予定している.また,腕を持つロボットを製作して,提案モデルを実装し,提案モデルの学習能力の有効性を検証する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Acquiring Body Representation for Reinforcement Learning Based on Slow Feature Analysis2011

    • 著者名/発表者名
      Akihiko Nishikawa, Masaki Ogino, Minoru Asada
    • 学会等名
      The 21st Annual Conference of the Japanese Neural Network Society (JNNS2011)
    • 発表場所
      沖縄科学技術大学院大学
    • 年月日
      2011-12-17
  • [学会発表] 速度分散最小化変換によるマルチモーダル情報からの状態表現の獲得2011

    • 著者名/発表者名
      西川輝彦, 港隆史, 荻野正樹, 浅田稔
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2011講演論文集
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンタ
    • 年月日
      2011-05-28
  • [学会発表] Hierarchical Neural Network with Multiple Sparsenesses for Global-to-Fine Categorization in Inferior Temporal Cortex2011

    • 著者名/発表者名
      Masaki Ogino, Ryuzo Nakata, Minoru Asada
    • 学会等名
      The 15th International Conference on Cognitive and Neural Systems
    • 発表場所
      Boston University
    • 年月日
      2011-05-12

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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