研究概要 |
本研究は,未知で動的な家庭・オフィス内で作業を遂行可能なロボットの行動計画器を設計する手法を提案したものである.特に,掃除ロボットに着目し,動的物体が存在する未知な環境下においても作業効率の低下を防ぐため,ロバストな行動を生成する行動計画器を設計した.具体的には,競争的共進化の手法を用いることにより,一定のロバスト化に成功した.また実機を用いた清掃実験を行い,この特徴を鑑みることにより,当該提案手法の有効性を示した.詳細は以下の通りである. (1)作業達成効率の向上:オンラインで行動を計画する行動計画器を遺伝的プログラミングにより設計する手法を提案し,ロボットがセンサ情報に基づきオンラインで行動を決定することを可能とした. (2)困難な環境変動の発見:環境のグリッド化により,清掃達成度が低い方向に遺伝的アルゴリズムで環境を最適化することにより,ある環境で適切な行動計画器が発見された困難な環境では清掃達成率が低くできることを明らかにした. (3)行動計画器と環境変動の共進化:適切な行動計画器の設計と困難な環境の発見を同時に行い,高効率かつロバストな掃除ロボットシステムを提案した.従来製品における行動計画を上回るロバスト性を確保可能となった. (4)システム化と実機実験:実機実験を様々な環境で行い,既存の製品の行動計画を検証した.また,シミュレーションにより,本提案手法の有効性を検証した.
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