研究概要 |
(1)-1非構造化領域のモデル化を利用した生活支援ロボットアプリケーションの開発 前年度までに開発していた,視覚マーカによって構造化された環境を利用して自動で物体操作を行う生活支援ロボットアームのシステムを拡張し,非構造化物である人間の顔を対象に,自動で飲み物のカップをユーザの口元に運ぶシステムを開発した.ここでは,顔認識技術を応用し,検出したユーザの顔のIDと位置・姿勢を利用することで,構造化物と同様の扱いができることを示し,その有用性を示すことができた. (1)-2より精度の良い環境構造化のための視覚マーカの開発 レンチキュラーレンズと縞模様パターンを用いることで,角度検出に関して従来の平面視覚マーカより20倍ほどの精度と安定性をもつ新しい視覚マーカを開発した.また,このマーカを活用し,ハンドカメラを装着したロボットアームと操作対象物体との自動位置合わせを行うことで,より広範囲なロボット初期位置からでも自動物体操作が可能となることを実証した. (2)人間-ロボット間で共有可能なモデルを記述する手法の研究 人間の生活全般を記述する共通言語としてWHOで採択されているICF(国際生活機能分類)を利用することで,人間の生活と支援ロボットの機能をリンクさせる手法を検討した.これにより,今後の課題として,オントロジー工学を利用したICFの整理と,ロボットの機能の記述,および生活環境・作業環境のモデル化・記述法の開発が必要であることが明らかになった.
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