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2011 年度 実績報告書

非線形力学系モデルを用いた種々の制約付き最適化手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22700229
研究機関千葉大学

研究代表者

岡本 卓  千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40451752)

キーワード大域的最適化 / カオス / システム工学 / 数理工学 / ソフトコンピューティング / 同時摂動勾配近似 / リアプノフ指数
研究概要

本研究では,非線形力学系(カオス力学系)を計算モデルとして用いた,微分不可能性や等式・不等式制約条件などの種々の制約を有する問題を解くための最適化手法の開発を目的とした研究を実施している。本年度は,(1)多点型カオスLagrange関数法の有効性の検証と解析,(2)パラメータ調整を伴わないカオス最適化手法の有効性の検証と解析,(3)準カオス最適化手法を用いた制約条件付き最適化手法の提案,(4)離散同時摂動法と準カオス最適化手法を用いた混合整数最適化手法の提案,(5)初期離散化幅推定を伴うカオス最適化手法の提案を行い,2件の学術論文発表と5件の学会発表(うち2件は,査読付き国際会議での発表)を行った。(1)では,Lagrange関数法とカオス最適化手法を用いた制約条件付き最適化手法について,その特性を理論的に明らかにし,多手法と比較して優れた探索性能を有することを確認した。(2)では,勾配ベクトルから算出した方向ベクトルを利用して,パラメータの調整なしにカオス的探索を実現する手法について,その有効性を詳細に検証した。(3)では,前年度に提案した同時摂動勾配近似法を導入した準カオス最適化手法を制約条件付き最適化問題に応用した手法を提案した。(4)では,準カオス最適化手法を混合整数最適化問題に応用した手法を提案した。(5)では,リアプノフ指数の概念とその計算法を応用して,適切な初期離散化幅を推定する手法を提案した。これらの成果のうち,(1),(3),(4)は複雑な制約条件を有する問題に対して,(3)と(4)は目的関数の勾配が計算できない制約を有する問題に対して,(2)と(5)はパラメータの事前調整が難しい制約を有する問題に対して,それぞれ有効なカオス最適化手法に関する研究成果であり,本研究課題の目的に大きく寄与する成果であると評価できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定した研究計画にしたがって研究が遂行された結果,研究実績の概要でも説明したように,本研究課題の目的に大きく寄与する手法を多数提案し,多手法と比較して優れた探索性能を有することを確認するに至っている。したがって,おおむね順調に進展していると評価できる。

今後の研究の推進方策

今年度までは,当初予定した研究計画にしたがって研究が進んでいる。来年度も研究計画通りに研究を遂行する。来年度は,研究計画の最終年度にあたるので,これまでの研究成果の取りまとめを行い,本研究課題の目的である「非線形力学系モデルを用いた種々の制約付き最適化手法」について体系的な取りまとめを行う予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Constrained Optimization using a Multipoint Type Chaotic Lagrangian Method with a Coupling Structure2012

    • 著者名/発表者名
      T.Okamoto, H.Hirata
    • 雑誌名

      Engineering Optimization

      巻: (掲載予定)

    • DOI

      10.1080/0305215X.2012.675060

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 初期離散化幅の調整を伴わないカオス最適化手法2012

    • 著者名/発表者名
      岡本卓, 平田廣則
    • 雑誌名

      計測自動制御学会論文集

      巻: 48 ページ: 125-133

    • 査読あり
  • [学会発表] 初期離散化幅の推定を伴うカオス最適化手法2012

    • 著者名/発表者名
      小野渉, 岡本卓, 小圷成一, 平田廣則
    • 学会等名
      計測自動制御学会第39回知能システムシンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2012-03-16
  • [学会発表] 混合整数最適化問題に対する準カオス最適化手法の有効性の検証2012

    • 著者名/発表者名
      岡本卓, 都築浩平, 小圷成一, 平田廣則
    • 学会等名
      計測自動制御学会第46回システム工学部会研究会
    • 発表場所
      東京工業大学田町キャンパス(東京都港区)
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] Constrained optimization using the quasi-chaotic optimization method with the exact penalty function and the sequential quadratic programming2011

    • 著者名/発表者名
      T.Okamoto, H.Hirata
    • 学会等名
      IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics 2011
    • 発表場所
      Hilton Anchorage Hotel (Anchorage, USA)
    • 年月日
      2011-10-11
  • [学会発表] Mixed integer optimization using the quasi-chaotic optimization with the discrete simultaneous perturbation stochastic approximation2011

    • 著者名/発表者名
      T.Okamoto, H.Hirata
    • 学会等名
      SICE Annual Conference 2011
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2011-09-14
  • [学会発表] 離散変数最適化問題のための同時摂動法を用いた多点型準カオス最適化手法2011

    • 著者名/発表者名
      都築浩平, 岡本卓, 小圷成一, 平田廣則
    • 学会等名
      平成23年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 発表場所
      富山大学五福キャンパス(富山県富山市)
    • 年月日
      2011-09-08

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公開日: 2013-06-26  

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