研究課題
本研究代表者は,離散時間ニューロン結合系にみられる振動応答の同期現象を有効利用した動的画像領域分割法を考案している。ニューロン間の結合強度を一定とした従来システムに対し,ニューロン間の結合に可塑性を与えることによって,高階調濃淡画像にも適用可能な動的画像領域分割システムの基盤技術を開発することが本研究の目的である。提案法は,並列処理による高速化が容易であり,一度の処理で複数画像領域を抽出できる画期的な手法であることから,その実用化に向けた諸問題を解決することが本研究期間内で実施する研究内容である。前年度,非線形力学系理論を用いた数値解析結果に基づいて可塑的ニューロン結合系のパラメータチューニングを行い,いくつかの高階調濃淡画像に対して適切な動的画像領域分割結果が得られることを例証した。これら研究成果に基づいて,平成24年度は,提案システムをグラフィック専用処理装置 (GPU: Graphics Processing Unit) へ実装し,処理速度の向上を図るための研究を実施した。今年度得られた研究成果は次のとおり。前年度に使用した画像とは異なる医用画像(高階調濃淡画像)を用いて動的画像領域分割実験を行い,パラメータチューニングした可塑的ニューロン結合系の有効性を検証した。次に,可塑的ニューロン結合系をGPU装置へ実装するとともに,その動的画像領域分割処理に要する時間を中央演算処理装置 (CPU)で実行する場合と比較した。その結果,提案法をGPU実装することにより処理時間を大幅に短縮できることを確認した。これらの研究成果を国際会議で発表するとともに,論文として学術雑誌へ投稿した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Innovative Computing, Information and Control
巻: 9 ページ: 355-363
http://www.tokushima-u.ac.jp/med/culture/iyo_gazokiki/index.html