研究課題/領域番号 |
22700247
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 康裕 早稲田大学, アジア太平洋研究センター, 研究員 (20454093)
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キーワード | 情報品質 / 主観的評価 / リスク認知 / 利用誘因 / TAM / プライベート空間機能尺度 |
研究概要 |
本園度研究においては、近年ブログ、SNS、Twitterに代表されるソーシャルメディアの発展はめざましく、急速に普及している。その一方で、こうしたソーシャルメディアの利用者及び利用者層の拡大(若年層・低年齢層への浸透)により、いわゆる『炎上』や、個人情報の漏洩、犯罪被害など新たな社会問題を引き起こしている。 そこで、本園度研究では、ソーシャルメディアに関する調査を実施した。調査では調査対象4都市(東京都三鷹市、長野県松本市、岡山県岡山市、山口県山口市、各250名)及び全国(2,000名)の一般利用者を対象としてウェブアンケート調査を実施し、各地域におけるソーシャルメディアの利用誘因の特徴を定量化することで、地域におけるソーシャルメディアの効果を評価し、その役割を明らかにすることとした。定量化にあたっては、インターネット利用の分析にも使用例のあるTAM評価尺度や自己効力感尺度を用いた。また、4都市において市民向けソーシャルメディアを展開する市役所担当者に対してヒアリングを実施し、地域の現状を確認した。分析の結果、ソーシャルメディア利用者は、コミュニケーションツールとしての価値を評価していた。また、対象地域のうち、岡山市と山口市の結果から、同市の利用者が、機器利用に対して、潜在的な苦手意識を持つことが明らかにされた。 また、併せてソーシャルメディアによって構築されるコミュニケーション空間・メディア空間に対する一般利用者の認知のあり方を、認知心理学の指標であるプライベート空間機能尺度を用い、調査した。本調査により、ソーシャルメディアに対する一般利用者のコミュニケーション空間認知のあり方からその利用行動の分析を試み、利用者の問題行動のあり方の検証などが可能になるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
東日本大震災の影響により、多少スケジュールの変更を要したが、前倒しで予定していた調査を実施していたため、当初の計画通りに研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
実施した調査研究の成果については、現在分析を進めるとともに、一部成果については学術論文等に成果を公表している。今後は適宜追加の調査等をおこない、さらに調査結果の分析を進め、研究成果の学術論文への投稿、国際会議での発表を予定している。
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