研究課題/領域番号 |
22700249
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
中村 百合子 立教大学, 文学部, 准教授 (80411057)
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キーワード | 学校図書館 / 開発援助 / モロッコ王国 / インドネシア共和国 / イスラーム教育 / 教材 |
研究概要 |
三年計画で行っている本研究の中間年度にあたる本年度は、モロッコとインドネシアで調査協力校・教員の確保にあたり、インドネシアでは予備調査を実施した。 2011年、"アラブの春"が起きて、モロッコ王国への訪問調査は、一時期、困難と判断された。そこで、同じイスラーム文化圏で、比較的民主化の進んでいるインドネシア共和国を調査の代替候補地に定め、11月、イスラーム寄宿学校3校(Pondok Pesantren Pabelan ; Gontor Pusat(男子校);Gontor Putri(女子校))を訪問した。このうち、特に多様な資料の活用を女子教育との関係からも分析・検討することとして、PabelanおよびPutriに調査協力を依頼した。そして、2012年3月に、Pabelanの学校代表の女子高校生とPutriの学校代表の女性見習い教師に対し、多様な資料への認識を問う、インタビューと質問紙による予備調査を実施した。 モロッコについては、2012年2月に、Oujdaの公立小学校3校(Kadissia、Khalid Bin Walid、Rabia Adaouia)とErrachidiaの公立小学校3校(Ibun Hazm、Ain Laatiとその分校)、技術高校(Lycee technique)を訪問し、調査の趣旨を説明しながら、調査協力校・教員を探した。最終的に、Errachidiaでの調査実施の可能性が生まれたため、2012年度に再訪して予備調査を行う予定である。 このほか、日本の学校図書館、また広く教育の関係者とともに、多様な資料の活用の基礎となる、教育者による情報の評価をいかに行って、それをいかに子どもたちに教えるかについて考える機会を提供する連続公開講座を開催した。出席者の学びを記録したため、これを現在、分析中で、学校図書館における多様な資料の提供と活用に関わる現代の課題を整理している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モロッコ王国ラバト在住で、応募時に研究協力者を引き受けてくださっていた方が、プライベートの変化により、協力者を辞退されたこと。次に、2010年度に改めて見つけた研究協力者も、半年ほどで、政情不安から協力を辞退されたこと。それに影響を受けて、モロッコでの調査協力校および教員の確保が昨年度、かなわなかったこと。
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今後の研究の推進方策 |
フィールドおよび調査協力校・教員として、インドネシアのイスラーム寄宿学校を追加し、そちらでの調査を先行させているが、モロッコも2012年度中に、予備調査程度は実施できる見込み。
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