本研究の最終年度である2012年度には、研究のまとめに向けて、主として以下の3つに取り組んだ。昨年度来、報告しているとおり、本研究は、アラブの春があって、順調とは言えない状況になった。しかし、当初の予定に、時間としては遅れを取り戻せなかったが、内容としては、当初の研究目的、つまり、開発途上国の学校図書館開発援助のモデルの探究に十分な資料・情報を得ることができたと考えている。調査の経過については,ブログを使って報告を行ってきたものの、研究報告としてはそれでは不十分であり、年度をまたぐことになってしまったが、2013年度には、最終報告書を公開する考えである。 1.インドネシア共和国のイスラーム寄宿学校2校、Pondok Pesantren PabelanおよびGontor Putriの協力を得て、アクション・リサーチを実施した。Pabelanには女子高校生1名を、Putriには女性見習い教師を1名、派遣してもらい、両名に約1年間、調査に協力してもらった。調査は、2012年3月にジャカルタにて、2012年5-6月に東京にて実施し、その前後に、研究代表者からの問いかけ、働きかけを行い、調査協力者2名の反応を記録した。 2.2011年度の秋から冬に立教大学を会場として実施した連続公開講座「情報を評価し、判断する力をいかに育むか」の記録集『情報を判断する力』を、2013年2月に発行した。また、この公開講座に参加した、主として学校図書館関係者の、情報を評価し、判断する力の育成に関する学びの記録を整理している。 3.2012年のモロッコ王国訪問時に現地で入手した、モロッコ政府が過去に公にした学校図書館に関するアラビア語文書の一部を、レバノン在住の翻訳者に依頼して、英語に翻訳した。これは最終報告書に収載する予定である。
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