研究課題
平成23年度も、前年度に引き続き、KACHINA CUBEシステムの開発と運用に力点をおき、研究活動を展開した。以下、開発と運用に分けて研究成果を報告したい。【開発面の成果】これまで、Webブラウザ上での本格的な3次元表現は、高負荷であるため、システムとしての実用性を考慮すると導入が困難であった。したがって、KACHINA CUBEではこれまで独自の「擬似的な3次元表現」を採用してきた。この方法を用いることで、Web環境でも軽快な動作が可能になる反面、5つのアングルからしかキューブを閲覧できないという大きな表現的制約が存在していた。今後、キューブ型ビュアーの可能性を開拓していくためには、軽快な動作を保ちつつ、この制約を取り除くことが重要であり、23年度はこの課題の解決に力点がおかれた。結果として、Away3Dという3次元ライブラリを使用することにより、この問題を解消する方法を見いだした。これは本システムにとって大きな前進であり、キューブの入れ子構造の実現など、抜本的な機能拡充の可能性が開かれた。【運用面の成果】平成23年度は、より社会的意義の高い適用フィールドが模索され、政策決定支援や震災復興支援に関する取り組みを行った。政策決定支援における運用では、ゲーミングシミュレーションによって得られたデータをKACHINA CUBEよって可視化することで、様々なアクターおよびプレイヤーの相互作用を視覚的に把握しながら政策決定を行う手法が考案された。また、震災復興支援における運用では、震災時に発生する大量の情報を共有するための情報インフラとしてKACHINA CUBEを機能させるための手法の構築が進められた。
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立命館人間科学研究
巻: 24 ページ: 63-72
Proceedings of The 2nd International Conference on Cultural and Computing (Cultural and Computing 2011)
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