研究者著者IDデータベースの設計と構築を行った。物質・材料研究機構(NIMS)に所属する研究者、約500名を対象として、機関内の職員番号、職員コアデータベース、評価用文献データベース、セルフアーカイブ向け機関リポジトリにおける著者IDを結合して閲覧可能とするサービスを構築した。この際トムソンロイター社のWeb of ScienceおよびResearchersID、JST ReaD、研究者リゾルバー(NII)といったデータベースとの連携を考慮し、データモデルを設計した。それぞれのデータベース間で可能な限り、著者IDを相互変換できる形式とし、ID付けが難しいデータベース間では著者名を用いた同定を行った。なお、構築データベースは、平成22年度10月よりNIMS公式サービスとして運用を開始した。さらに、これら構築した研究者情報データベースを人名、キーワード、発表文献等から検索できる情報検索機能を付加し、加えて、Atom形式による検索APIを公開した。これにより、随時に、所内・所外を問わず、研究者情報を検索できるだけでなく、この蓄積情報を活用した追加付加情報を加えたサービス、情報取得サービスを、リンク付けすることができるようになった。また、この検索機能において、特許文献や発表文献の表記上の著者と、職員ID付きの職員情報との照合するプロトタイプ機能を実装した。人名名寄せをサポートすることにより、より精度の高い著者IDサーバとすることができる。次年度以降、これらの名寄せおよびリンク付けの精度検証を行う予定である。
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