研究概要 |
(1)レトリカルデータベースシステムの開発 リレーショナルデータベースを用いた,古典的修辞構造蓄積のためのデータベースシステムの開発を,Web上から閲覧可能なJavaのJSPを用いて行った。具体的には,すでに分析していた新・旧約聖書中の修辞構造を中心にデータを入力し,特定のテキスト箇所ごとの修辞構造の一覧と,特定の修辞構造における関連テキスト箇所の一覧が表示できるようになった. また,構築したデータベースによって得られた修辞構造一覧のリスト部分をHTML化して,研究代表者のホームページ上にて公開を行った。 (2)修辞構造の分析 上述のレトリカルデータベースシステムに蓄積された修辞構造の妥当性を数値的に検証するためのアルゴリズムの検討を行い,ランダムなテキスト間の組み合わせに基づく修辞構造作成のプログラムを試験的に実装し,検討対象修辞構造との比較をいくつかのテキストに対してケーススタディ的に行った.結果としていくつかの修辞構造に関しては5%有意水準での有意差がいくつかの単語やフレーズの組み合わせに関して抽出された. また前年度に引き続き、新・旧約聖書中の修辞構造の分析を継続して行っている. (3)文・命題の自動分析 映画・演劇の批評テキストを対象に,何に対する批評であるかという分類を、対象を特徴的に示す単語に基づいて,文単位で自動的に行う分析を実施した.分析の結果,映画と演劇での批評における視点の相偉や批評対象間の関係性の相違が数値的に明らかになった。
|