研究概要 |
対象領域である素材型産業とその製品素材を資材として購入し製造を行う製造業からなるサプライチェーン(SC ; Supply Chain)について調査とその結果に基づくモデル化を行った。鋼板サプライチェーン(鋼板製造とそこで生産された鋼板を用いる製造業),および水産加工品サプライチェーン(生鮮品から加工品の資材を作る工場と加工品を製造する工場)のモデル化を行った。これらはいずれも,上流に分解型工程・下流に組立型工程をもつ多段複合型工程となっている。また,このような工程をもつサプライチェーンに適用可能な計画・スケジューリングモデルを作成するため,SCP (Supply Chain Plannlng)およびロジスティクスに関する調査を行った。 これらの調査を元にした,計画・スケジューリング手法の開発に先だって,中長期の計画を除いたスケジューリング・アルゴリズムに関する検証を行った。従来,比較的良い結果が得られるとされ良く用いられるランダムキー型遺伝的アルゴリズムについて,スケジューリング問題に適用した場合の問題点を明らかにし,それを改善した手法を開発し発表した。また,この発表内容はまとめ直して投稿し,論文として掲載済である。 さらに,この結果を踏まえ,計画・スケジューリングの統合および,対象の多段複合型工程への適用についてまとめた。各製品の資材所要量の和が全体の資材所要量とはならない,余剰品の廃棄量を減らすため製品の追加を提案する必要があるなどの,従来明らかにした分解型工程の特性に加え,複数の種類の資材から同一(互換)製品が生産可能な場合についての考慮を行った。この内容の一部は投稿済であり,次年度(平成23年8月)発表予定である。
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