研究概要 |
1.生産計画・スケジューリング手法の開発 在庫計画・輸送計画を除いた生産計画・スケジューリングの統合手法を開発した。余剰部品の発生を抑止しつつ,需要予測や受注を元にした生産量を満たす生産計画・スケジューリングを行うため,(1)ヒューリスティックを元にした手法,(2)組合せ最適化問題として定式化し既存のメタ戦略を適用した手法,(3)各品目の生産量を統計的な分布を持つ値として表現し,そこから求められる資材所要量や余剰部品の量の分布を求める手法の3つを開発し,数値実験を通して比較を行った。 多くの場合,(1)が有効であり,計算時間に余裕がある場合には(2)が有効であった。(3)では,計算量が多い割に前述手法と比較して特に優れた結果が得られていない。 2.多段複合型工程に適合するAPS (advanced planning and scheduling)モデルとスケジューリング手法の開発 SCP,ロジスティクス,生産計画・スケジューリングを考慮したモデルを作成した。また,このモデルに基づき,既存のスケジューリング手法の組合せを比較した。多くのテスト問題においては,先行研究で開発した,生産スケジューリングと輸送の統合スケジューリングのためのメタ戦略手法が有効であった。 3.多段複合型工程をもつサプライチェーンを対象としたシステムの実装 先行研究で構築したウェブベースのスケジューリング・システムに機能を追加することによって実装を行った。過去の開発において障害となったSVG (Scalable Vector Graphics)とECMAスクリプトの組合せに関する問題の多くは,各社ウェブブラウザの改良によってほぼ解決し,目標とした仕様通りに構築できた。
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