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2010 年度 実績報告書

大脳基底核の行動制御機構における分子基盤に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22700344
研究機関玉川大学

研究代表者

有村 奈利子  玉川大学, 脳科学研究所, グローバルCOE准教授 (20420375)

キーワード大脳 / 基底核 / 行動制御 / 分子基盤
研究概要

ヒトの行動制御や精神神経疾患を理解するためには、脳の領野を繋ぐ神経回路やそこでの機能分子の作用が、どのように神経情報の表現とその統合に関わっているかを知ることが重要である。本研究課題では、行動制御に関わる大脳基底核の淡蒼球に焦点をあて、淡蒼球内に存在している投射先の異なる様々な細胞群が、どのような分子的な特徴を有するかを解析する。
ラットの基底核を、クライオスタットを用いてスライスし、レーザーマイクロダイセクションを利用して微少領域及び細胞の切り出しを行った。切り出した組織片及び細胞から微量mRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを得、このcDNAを用いてリアルタイムPCRを行い、神経活動に関与する遺伝子群の発現比較を行った。この結果、8つの遺伝子の発現が前後軸で増減していることがわかった。さらに、これらの研究成果を発展させる為に、逆行性とレーザーをインジェクションしたラット脳を用いて神経細胞をラベルし、且つ、神経細胞を免疫染色した上で切り出す、新たな実験手法の確立を行った。初めに、ラットの基底核をスライスし、組織固定と免疫染色を行った。その後、レーザーマイクロダイセクションを利用して細胞の切り出しを行った。切り出した組織片及び細胞から微量mRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを得、このcDNAを用いてリアルタイムPCRを行った。通常の免疫染色法では、RNAが破壊されてしまうが、本研究課題により確立した新たな免疫染色法では、短時間の染色によりRNAの分解を押さえることが可能となった。これらの研究手法は、基底核淡蒼球の情報処理をどのような細胞種が担っているかという動作原理の解明につながると考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 認知と運動の統合過程を支える神経基盤2011

    • 著者名/発表者名
      星英司、中山義久、山形朋子、佐賀洋介、橋本雅史、有村奈利子、丹治順
    • 雑誌名

      Brain and Nerve

      巻: 63 ページ: 59-68

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 補足運動野と前補足運動野2011

    • 著者名/発表者名
      丹治順
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 28 ページ: 1121-1124

  • [学会発表] Role of the globus pallidus in action planning as mediated by the abstract representation of action.2011

    • 著者名/発表者名
      有村奈利子
    • 学会等名
      第一回東北大学脳科学国際シンポジウム
    • 発表場所
      東北大学生命科学プロジェクト研究棟(宮城県)
    • 年月日
      2011-01-21
  • [学会発表] Role of the globus pallidus in action planning as mediated by the abstract representation of action.2010

    • 著者名/発表者名
      有村奈利子
    • 学会等名
      41th NIPS International Symposium
    • 発表場所
      生理学研究所(愛知県)
    • 年月日
      2010-12-16
  • [学会発表] Role of the globus pallidus in action planning as mediated by the abstract representation of action.2010

    • 著者名/発表者名
      有村奈利子
    • 学会等名
      Neuroscience2010
    • 発表場所
      SanDiego Convention Center (USA)
    • 年月日
      2010-11-17
  • [学会発表] 運動の表象表現を介した運動計画における大脳基底核と前頭前野の関与2010

    • 著者名/発表者名
      有村奈利子
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.tamagawa.ac.jp/teachers/hoshi/index.htm

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公開日: 2012-07-19  

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