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2010 年度 実績報告書

神経成長円錐ガイダンスを制御するエンドサイトーシス経路

研究課題

研究課題/領域番号 22700353
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

戸島 拓郎  独立行政法人理化学研究所, 神経成長機構研究チーム, 研究員 (00373332)

キーワード神経成長円錐 / 軸索ガイダンス / クラスリン依存性エンドサイトーシス / カルシウム / カルシニューリン / CaMキナーゼII / Cdk5 / Dephosphin
研究概要

神経回路形成過程の神経軸索先端部に現れる成長円錐は、細胞外環境に呈示される多彩な軸索ガイダンス因子の濃度勾配を感知し、それに応じて自身の運動性を変化させることで軸索を正しい標的まで牽引する。軸索ガイダンス因子は、その成長円錐に対する作用により誘引因子と反発因子に大別されるが、どちらの場合も因子を受容した側に発生する局所Ca^<2+>シグナルが旋回誘発の十分条件である。申請者らの過去の研究により、誘引を引き起こすCa^<2+>シグナル(誘引性Ca^<2+>シグナル)と、反発を引き起こすCa^<2+>シグナル(反発性Ca^<2+>シグナル)の性質の違いが明らかになっている。さらに申請者らは、誘引性旋回は成長円錐片側でのエキソサイトーシス促進によって、反発性旋回はクラスリン依存性エンドサイトーシス促進によって駆動されることを明らかにした。これらの結果に基づいて本課題では、Ca^<2+>シグナルからエンドサイトーシス制御に至るまでのシグナル経路を解明することを目的とする。
本年度は、誘引性Ca^<2+>シグナル下流におけるCaMキナーゼIIおよびCdk5の寄与を検証した。ケージドCa^<2+>光乖離法によって誘発された成長円錐の誘引はCaMキナーゼIIまたはCdk5の阻害剤によって抑制されたが、反発にはこれらの薬剤は効果がなかった。続いて、エンドサイトーシスの非対称性に対するCaMキナーゼIIおよびCdk5の寄与を検証した。誘引性Ca^<2+>シグナル単独ではエンドサイトーシスに影響が無かったが、CaMキナーゼIIまたはCdk5阻害剤存在下では、誘引性Ca^<2+>シグナルに応じてエンドサイトーシス頻度の非対称(Ca^<2+>側で高頻度)が観察された。以上の結果から、誘引性Ca^<2+>シグナルの下流には、CaMキナーゼIIおよびCdk5を介してエンドサイトーシスを抑制する経路(交差抑制経路)が存在することが強く示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Second messengers and membrane trafficking direct and organize growthcone steering2011

    • 著者名/発表者名
      Takuro Tojima
    • 雑誌名

      Nature Reviews Neuroscience

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Asymmetric clathrin-mediated endocytosis drives repulsive growth coneguidance2010

    • 著者名/発表者名
      Takuro Tojima
    • 雑誌名

      Neuron

      巻: 66 ページ: 370-377

    • 査読あり
  • [学会発表] 膜トラフィッキングによる神経軸索ガイダンス駆動機構2010

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎
    • 学会等名
      第5回メカノセンシング研究会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2010-11-25
  • [学会発表] 非対称性クラスリン依存性エンドサイトーシスによる成長円錐ガイダンスの駆動機構2010

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎,糸総るり香,上口裕之
    • 学会等名
      第33回日本神経科学大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-02
  • [学会発表] 神経成長円錐ガイダンスにおけるクラスリン依存性エンドサイトーシスの役割2010

    • 著者名/発表者名
      戸島拓郎
    • 学会等名
      第62回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-05-19
  • [備考]

    • URL

      http://www.brain.riken.jp/jp/h_kamiguchi.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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