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2010 年度 実績報告書

神経幹細胞が自己増殖から神経産生モードへ遷移する機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22700361
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

今野 大治郎  独立行政法人理化学研究所, 非対称細胞分裂研究グループ, 基礎科学特別研究員 (00362715)

キーワード神経幹細胞 / 大脳新皮質 / 神経分化
研究概要

発生時期の異なるHes1リポーターマウス胎児脳組織から、セルソーターを用いて神経前駆細胞を分取し、DNAマイクロイアレイを用いた遺伝子発現の網羅的解析およびIn situハイブリダイゼーション法を用いた脳組織における遺伝子発現部位の解析を行い、神経前駆細胞において時間・空間的に発現が変動する遺伝子群を検索した。その結果、機能未知の核内因子をコードするDmrt3およびDmrtA2が、大脳新皮質神経前駆細胞特異的に発現し、しかも未分化性の高い前駆細胞により高発現していることを見いだした。Dmrt3およびDmrtA2は共に、性決定に重要な因子であるショウジョウバエdouble sexおよび線虫mab-3の哺乳類相同遺伝子群であるDmrtファミリーに属しており、それらの翻訳産物はDMドメインと呼ばれるDNA結合能力を持つZinc fingerドメインを有しているが、その神経発生における役割は明らかでない。そこでsiRNAを用いたノックダウン法とエレクトロポレーション法の組み合わせにより、In vivoにおけるDmrt3及びDmrtA2の機能阻害が神経前駆細胞に及ぼす影響を解析した。その結果、対照群ではエレクトロポレーションされた細胞の6割強が未分化神経前駆細胞のマーカーであるSox2を発現する細胞として維持されていたが、Dmrt3及びDmrtA2のsiRNAを導入した細胞におけるsox2陽性細胞の割合は2割程度であり、残りの大部分は神経細胞へと分化していたことが明らかとなった。これらの結果から、Dmrt3及びDmrtA2が大脳新皮質神経前駆細胞における未分化維持機構に重要な役割を担っている事が明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Oblique Radial Glial Divisions in the Developing Mouse Neocortex Induce Self-Renewing Progenitors outside the Germinal Zone That Resemble Primate Outer Subventricular Zone Progenitors2011

    • 著者名/発表者名
      Shitamukai A, Konno D, Matsuzaki F.
    • 雑誌名

      The Journal of Neuroscience

      巻: 31 ページ: 3683-3695

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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