研究課題/領域番号 |
22700369
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
香取 将太 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 特任研究員 (50562394)
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キーワード | セロトニン神経 / プロトカドヘリンα / 軸索投射 / 接着分子 |
研究概要 |
セロトニン神経は不安、摂食、うつ病などに関与する神経である。その細胞体は脳幹の正中領域に位置し、軸索を脳全体に投射させて、脳全体の神経活動の調節に関与している。これまで、その軸索の投射の制御機構についてはほとんどわかっていなかったが、申請者は、14種類からなる1回膜貫通型タンパク質であるプロトカドヘリンα(PCDHα)分子群が、セロトニン神経の軸索投射、特に軸索の末端の分岐及び分布の制御に関与していることをこれまでに明らかにした。 本課題において、セロトニン神経の軸索投射におけるPCDHαの役割をさらに深く理解するために、PCDHαの種類を減らした3種類のマウスを作製したところ、少なくともPCDHαC2がセロトニン神経の軸索投射に必須であるという重要な結果を得た。そこでPCDHαC2の性質を明らかにすることにした。PCDHαC2をはじめ、PCDHα全てのメンバーは細胞外にカドヘリンモチーフを持つカドヘリンスーパーファミリーに属しているので、カドヘリンモチーフを介した接着活性をもっていると推測される。そこで、PCDHαC2の接着能を見るためにHEK293T細胞に発現させたが、細胞膜上に発現せず、その接着能は不明であった。次に、細胞内領域を削ったPCDHαC2をHEK293T細胞に発現させたところ、細胞同士が接触する面に特異的に局在するように見えた。また、セロトニン神経を培養し、PCDHαの局在を調べたところ、PCDHαは軸索の成長円錐に強く局在していた。ゆえに、セロトニン神経ではPCDHαC2同士の接着により、何らかのシグナルが流れ、軸索の分布を制御していると推測される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属が途中で変わり、研究に制限ができたため、研究はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
セロトニン神経の軸索投射にはPCDHαC2が関与しているということが明らかになった。今後は、PCDHαC2に注目し、セロトニン神経特異的にPCDHαC2を欠損させたマウスを作製してPCDHα¢2のin vivoの役割と解析と、生化学的な実験を行うことでPCDHαC2の性質を明らかにしていく。
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