脂質メディエーターであるロイコトリエン(LT)が疼痛伝達に関与する報告は少なく、発現局在も明らかではない。そのため、神経障害性疼痛モデルラットを用い、LTの産出やそれら受容体の発現動態を検討したところ、末梢神経損傷後におけるLT合成酵とそれら受容体が脊髄後角のマイクログリアやneuronで増加していた。またLT合成酵素阻害薬の投与を行い疼痛行動を観察したところ、モデルラットにおいて有意に痛みを抑制した。これらのことから神経障害性疼痛が形成される初期段階ではマイクログリアで増加するロイコトリエンが関与することが示唆された。
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