研究課題/領域番号 |
22700417
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
原 央子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (40528452)
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キーワード | in vivoイメージング / 蛍光 / 発光 / MRI / フェリチン |
研究概要 |
本年度は、3種融合プローブでのイメージング技術開発と移植実験を実施した。並行して3種融合プローブのレポータートランスジェニックマウスに挿入するトランスジーンの作製も開始している。 以下、本年度交付申請書に記載した項目ごとに具体的な研究成果を記述する。 (1)3種融合プローブを培養細胞に発現させ、マウスへの細胞移植を行った。 移植にはグリオーマ細胞U251を用いた。移植細胞がマウス体内で生着しやすく、また移植後に生着した細胞がある程度の変化をすれば、in vivoイメージングで3種融合プローブの性能評価を行いやすくなるという考えである。3種融合プローブをU251細胞に発現させてマウス脳へ移植し、発光とMRIのin vivoイメージングに成功した。U251細胞の移植により3種融合プローブは、脊髄損傷モデルマウスやALSモデルマウスへも応用が可能であると判断した。 しかし、いくつかの改善すべき点があることもわかった。移植部位の組織連続性が失われるために、MRI画像では3種融合プローブの効果が判定しにくいことがそのひとつである。今後、トランスジェニックマウスを利用して、移植による組織不連続性の問題を除去した環境で、再度3種融合プローブの性能評価を行うことも視野にいれている。 (2)3種融合プローブのトランスジェニックマウスの作製を開始した。 まずはトランスジーンになる配列を含むベクターの作製にとりかかった。作製後には本研究だけでなく他分野の研究へも応用しやすいように、CAG promoter下に、3種融合プローブの発現部位や時期を研究目的により調節できるように、loxP配列を利用して作製している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は東日本大震災の影響で、子供を保育園へ預ける時間を短縮したり、科研費の使用を控えめにする計画を年度初めにしてしまったりした(科研費使用に関しては途中で通常通りへの方針転換をした)。そのような事情で、トランスジェニックマウス作製が予定より少し遅れているが、研究全体としては順調にしていると考える。成果も得られ、問題点の把握も的確にできている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究結果からわかった移植により組織不連続性が発生し、MRIでの3種融合プローブの効果の判断が難しいということがわかった。その問題はトランスジェニックマウスを用いて解決していく計画である。研究計画当初は、トランスジェニックマウスは脊髄損傷治療のみへ応用する予定であったが、3種融合プローブの評価のための道具としても利用する計画に変更して、実験をあまり増やさずに効率よく問題点を解決していく。
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