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大脳基底核出力核の活動は線条体からの抑制性、視床下核からの興奮性という相反した入力のタイミングやバランスで調節されている。また線条体の活動はドーパミンによる修飾を受ける。それぞれが大脳基底核の活動にどのように関わっているかを解明するために、運動課題遂行中のサルから神経活動を記録し、神経薬理学的な手法も組み合わせて以下の実験をおこなった。遅延期間付き上肢到達運動課題をサルに習熟させ、頭部固定の手術を行い、皮質内微小刺激法で同定した、大脳皮質の一次運動野および補足運動野の上肢領域に慢性埋め込み電極を設置し、皮質への電気刺激への応答を観察することで，淡蒼球内節ニューロンの入力源を同定した。その後、淡蒼球ニューロンにおいて、運動課題実行中の活動と、グルタミン作動性興奮入力の遮断後の活動変化を記録した。その後GABA作動性抑制入力の遮断による活動変化を記録した。その結果、淡蒼球内節ニューロンでは興奮性・抑制性の相反する入力が同時に作用しており、線条体からの抑制性入力を打ち消すほどの興奮性入力が視床下核よりもたらされている例を発見した。これにより、これまでの線条体を中心とした脱抑制システム仮説が現実には視床下核の活動によって大きく調節されていることが、サルにおいて示された。現在論文投稿準備中である。
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