運動学習の獲得・維持・表出の各過程における小脳皮質・その投射先である前庭核の役割を調べた。皮質から前庭核への情報伝達を遮断すると、学習スコアは上昇していかなかった。しかし情報伝達を回復させて再学習させてみると、学習スコアは高かった。反対に、情報伝達遮断前に学習を誘導し、その後情報遮断後に再学習を測定してみると、情報伝達を遮断しているにもかかわらず学習スコアは高かった。以上より、運動学習の表出には皮質は必要だが、一旦皮質が機能して運動学習を獲得・表出してしまうと皮質は必要でないことが明らかとなった。
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