研究概要 |
本研究では小動物のマクロスコピックな血行動態変化の計測に用いられる内因性光イメージングで得られる信号と共焦点レーザー顕微鏡と多光子励起蛍光顕微鏡で計測した毛細血管レベルの空間分解能で捉えた脳微小循環ネットワーク構造や脳活動に伴う赤血球の流れや個数の変化,血管の膨張収縮との関連を実測データに基づいたシミュレーションを行うことで明らかにすることを目的としている.シミュレーションモデルを構築する上で必要となるのは血管ネットワークの幾何学的構造,生体組織における光学特性値,脳機能賦活時の血流変化の度合いである.本年度は主に脳機能賦活時の血流変化の度合いの定量化手法の開発および計測を行った。毛細血管レベルの血流の定量化をするために時空間の2次元画像から赤血球の速度を自動的に定量化する手法を開発し、多光子励起顕微鏡を用いたin vivo実験においてその有効性を示した。また、脳の表面における血流については血管枝ごとに血管径や血流速に関連するパラメータを推定することができる手法を応用して、ニトロプルシドナトリウム投与下および前肢電気刺激下における血行動態変化を観察した。正常時の血管径を基準に動静脈をそれぞれ3種に分類して解析すると、SNP投与下においては太さが25から50μmの動脈、脳賦活時の血流調整は25μm以下の動脈における血行動態変化が顕著であり刺激に対する血管応答の血管径依存性が示唆された
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