• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

モデルマウスを用いたIL-1/IL-17システムによる大腸がん促進機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22700448
研究機関信州大学

研究代表者

角田 茂  信州大学, ヒト環境科学研究支援センター, 助教 (80345032)

キーワード大腸がん / サイトカイン / 疾患モデル / IL-17 / IL-1
研究概要

疾患モデルおよび遺伝子改変マウスは、病態を分子レベルで解析する上で非常に有効なツールである。一方、大腸がんは近年の食生活の欧米化などにより罹患率が大きく上昇しており、その予防法および治療法の開発が強く求められている。そして、このようながんの発症過程の研究には動物個体を用いた研究は欠かせない。そこで本研究では、炎症性サイトカインの大腸がん発症における役割を明らかにすることを目的として、大腸がんの疾患モデルであるApc^<Min>マウスとサイトカイン遺伝子欠損マウスを用いて研究を行った。
本研究では、特にIL-1/IL-17ファミリー分子に注目し、これまでに我々が独自に作出したIL-1/IL-17ファミリー遺伝子欠損マウスとApc^<Min>マウスを掛け合わせて作出した多重変異マウスにおける腸管ポリープ形成能を評価した。Apc^<Min>-Il17a^<-/->Il17f^<-/->マウスにおいて腸管ポリープ形成が有意に減少することを見出した。一方、Apc^<Min>-Il17a^<-/->、Apc^<Min>-Il17f^<-/->いずれのマウスでも腸管ポリープ形成の減少が認められたが、Apc^<Min>-Il17a^<-/->Il17f^<-/->マウスには及ばず、IL-17AとIL-17Fのそれぞれがポリープ形成に促進的役割を担っていることが示唆された。そこで、IL-17AとIL-17Fそれぞれに対する中和抗体を用いてApc^<Min>マウスに投与し治療実験を試みたところ、単独および共投与で大型のポリープ形成を抑制することができた。また、Apc^<Min>-Il1rn^<-/->マウスの結果からIL-1の過剰シグナルがポリープ形成に促進的に作用することがわかっていたが、これは1型受容体(IL-1R1)を介したシグナルの可能性があることを見出した。これらの結果から、IL-1/IL-17のシグナルが大腸がん治療の分子標的となりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] In vivo imaging visualizes discoid platelet aggregations without endothelium disruption and implicates contribution of inflammatory cytokine and integrin signaling2012

    • 著者名/発表者名
      Sugiura S, Kadowaki T, Nakauchi H, Eto K, Nagai R.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 119 ページ: 45-56

    • DOI

      DOI:10.1182/blood-2011-09-381400

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 真菌免疫応答におけるC型レクチン受容体の役割2012

    • 著者名/発表者名
      角田茂, 西城忍
    • 雑誌名

      化学療法の領域

      巻: 28 ページ: 59-66

    • URL

      https://www.iyaku-j.com/iyakuj/system/M2-1/summary_viewer.php?trgid=24220

  • [雑誌論文] Up-regulation of polymeric immunoglobulin receptor expression by the heat-inactivated potential probiotic Bifidobacterium bifidum OLB6378 in a mouse intestinal explant model2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Y.
    • 雑誌名

      Scandinavian Journal of Immunology

      巻: 75 ページ: 176-183

    • DOI

      10.1111/j.1365-3083.2011.02645.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A tecpr1-dependent selective autophagy pathway targets bacterial pathogens2011

    • 著者名/発表者名
      Kawalec M, Reichhart JM, Sasakawa C
    • 雑誌名

      Cell Host Microbe

      巻: 9 ページ: 376-389

    • DOI

      DOI:10.1016/j.chom.2011.04.010

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kjellmaniella crassifolia Miyabe (Gagome) Extract Modulates Intestinal and Systemic Immune Responses2011

    • 著者名/発表者名
      Yan H.
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry

      巻: 75 ページ: 2178-2183

    • DOI

      10.1271/bbb.110473

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NYAP : a phosphoprotein family that links PI3K to WAVE1 signalling in neurons2011

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama K.
    • 雑誌名

      EMBO Journal

      巻: 30 ページ: 4739-4754

    • DOI

      10.1038/emboj.2011.348

    • 査読あり
  • [学会発表] 腸管ポリープ形成におけるIL-17ファミリーの役割の解析2012

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      平成23年度「個体レベルでのがん研究支援活動」班ワークショップ
    • 発表場所
      大津
    • 年月日
      20120118-20120119
  • [学会発表] Apc^<Min>マウスの腸管ポリープ形成におけるIL-17AおよびIL-17Fの役割(Involvement of interleukin (IL)-17A and IL-17F in development of intestinal polyps in Apc^<Min> mice)2011

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Kakuta
    • 学会等名
      第40回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      幕張
    • 年月日
      20111127-20111129
  • [学会発表] 疾患モデルマウスを用いた腸管ポリープ形成におけるIL-17AおよびIL-17Fの役割の解析2011

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      第58回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      江戸川
    • 年月日
      20110525-27
  • [学会発表] 遺伝子改変マウスを用いたIL-17A/Fの感染・炎症・発がんにおける役割の解析2011

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      第30回信州免疫アレルギー懇話会
    • 発表場所
      松本
    • 年月日
      2011-12-21
  • [学会発表] 遺伝子改変マウスを取り巻く最近の動向と基礎医学研究への応用2011

    • 著者名/発表者名
      角田茂
    • 学会等名
      信州実験動物研究会第76回勉強会
    • 発表場所
      松本(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-21
  • [図書] 論文ができてしまう!疾患モデルマウス表現型解析指南2011

    • 著者名/発表者名
      山村研一
    • 総ページ数
      316-321,451-454
    • 出版者
      中山書店
  • [図書] seriesモデル動物利用マニュアル免疫疾患-疾患モデルの作製と利用2011

    • 著者名/発表者名
      岩倉洋一郎
    • 総ページ数
      215-222
    • 出版者
      エル・アイ・シー
  • [備考]

    • URL

      http://soar-rd.shinshu-u.ac.jp/profile/ja.jpfVPpLU.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi