研究課題
本研究ではヒト免疫系を再構築させたヒト化マウスを用い、多種多様な抗原に対するin vivoヒト抗体産生系の確立およびヒト免疫疾患モデルマウスの開発を目的としている。本ヒト化マウスは創薬研究としての利用のみならず、新薬の前臨床試験やヒト免疫細胞分化、機能解析等の基礎的研究にも有用であり医療への貢献が充分期待できる。平成24年度は平成23年度に引き続き、以下2系統のTgマウスの解析を行った。1)ヒトIL-3/GM-CSF TgマウスHSCを移入したヒトIL-3/GM-CSF Tgマウスは、ヒト好塩基球、マスト細胞などのアレルギー関連免疫細胞が効率よく分化するヒト化マウスである(平成23年度実績)。本年度は、本マウスを用いてヒトマスト細胞による生体内受動アナフィラキシー(PCA)応答が可能であるかを検討した。ヒト化NOG-hIL3/GM Tgマウス皮内へ抗NP-IgE抗体を投与後、抗原であるNP-BSAをエバンスブルーと共に静脈内に投与した。その結果、Tgマウス皮内にエバンスブルーの顕著な色素漏出が観察されたことから、生体内ヒトPCA応答が可能であることが見出された(論文投稿中)。本マウスを用いることにより、抗アレルギー薬の薬効評価や安全性試験の実験動物モデルとして利用できる可能性が示唆された。2)HLA-DR4 Tgマウスヒト化HLA-DR4 Tg マウスは、OVA免疫後の特異的IgG抗体産生が観察されるヒト抗体産生マウスであることを明らかにした(平成23年度実績)。平成24年度は本結果を論文化し、International Immunologyへ投稿、受理された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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