研究課題
本研究では、脳波により癲癇焦点の非侵襲的推定を電流双極子分布を用いて行う。MRI、機能的MRI、さらに未だ推定に使用された報告例のない神経束の走行情報を含む拡散テンソルイメージング画像の3種の異種画像から抽出した特徴量を双極子推定の拘束条件に利用することで、頭蓋内電極記録に匹敵する推定精度を有する非侵襲的方法を開発する。これにより、癲癇による神経活動の脳内波及を時系列で推定し、手術による切除領域最小化に役立てることを目的とする。今年度は、第一に可能な限り多くの癲癇患者データの収集することを試み、複数の病院より脳波データを10例得たが、MRI画像、拡散テンソル画像等の画像データは4例に留まった。第二に計算機による癲癇焦点推定処理であるが、各個人の頭部形状情報を得るため、SPM (Statistical Parametric Mapping)により、MRI画像から、頭皮、頭蓋、脳脊髄液、白質、灰白質の5領域(5層)を抽出し、境界要素法による脳波電位推定に繋げるため、各層を三角形メッシュに分割した。これにより生成された頭部形状情報をもとに、双極子分布により得られる頭皮上電極位置における電位を解く順問題に関する計算機プログラムの作成を行った。しかしながら、頭部形状モデルの精度や頭皮上電位分布の推定精度の評価、さらには相互の関連性を含めた評価までには現状では至って治らず、今後行う予定である頭皮上電位分布から双極子分布を推定する逆問題に直接影響を及ぼすため、詳細な検討の後、後続の処理へと進めてゆきたい。
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International Journal of Innovative Computing, Information and Control
巻: 7(掲載確定)
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