研究課題/領域番号 |
22700463
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮崎 幸造 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40372164)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 生体制御 |
研究概要 |
OVAペプチドを用いたPhotodynamic Vaccinatuon効果検証:マウスをモデル動物として、OVAペプチドを用いてPhotodynamic Vaccinatuonを行い、OVAに対する抗体の有無、CTL誘導の有無を検証した。 MCMV抗原を用いたPhotodynamic Vaccinatuonの効果検証:マウスをモデル動物として、マウスサイトメガロウイルス(MCMV)の抗原ペプチドを用いてPhotodynamic Vaccinatuonを行い、MCMVに対する抗体の有無、CTL誘導の有無を検証した。 上記2つの実験においては、Photodynamic Vaccinationに用いる光増感剤は、当研究室(東京大学大学院医学系研究科付属疾患生命工学センター臨床医工学部門)にて作成しているデンドリマー型フタロシアニンを使用し、光増感剤と抗原ペプチドを皮下注射後、685nmの半導体レーザーを利用して光増感反応をを生じさせる。光照射の前後において血中のサイトカイン産生(IFN-γ、IL-4、IL-2、TNFα、IL-6、IL-10)をELISAにより、各免疫細胞の割合をフローサイトメーターを用いて解析した。CD8陽性CTLの誘導は確認でき、さらに、炎症性サイトカインである、IL-6、IL-12の産生は確認できた。しかしながら、メモリーT細胞の確認ができていないため、この方法による免疫が永続的にもたらされるかの確認が必要であるため、現在メモリーT細胞の検出を行っている。また、このメモリーT細胞を移植することで、本方法での免疫がより有効であることを示す必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度、OVAペプチド、MCMVペプチドを用いたPhotodynamic Vaccinationの実施はできたが細胞内寄生細菌、寄生虫由来のペプチドを用いた本方法の検証をする事ができなかった。これは、ミセル作成時に使用するポリマーの不足及びロットが変わったため、ミセル作成条件が若干異なってしまったためである。すでに、これは改善していることから、至急、実験が正常なペースで行われるように努力する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、実際のウイルス、細菌を用いたワクチンの生体防御反応を検証する予定であった。しかしながら、ペプチドによる免疫機構のより詳細な検証を行うことが実際にウイルス、細菌を使用する前に重要なことから、再現性を重視して本方法の有用性を検証する。
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