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2010 年度 実績報告書

タンパク質製人工ニッシェの構築―パーキンソン病治療への応用―

研究課題

研究課題/領域番号 22700468
研究機関京都大学

研究代表者

中路 正  京都大学, 再生医科学研究所, 特定研究員 (10543217)

キーワードキメラ蛋白質 / 人工ニッシェ / 移植用材料 / パーキンソン病 / 幹細胞移植治療 / 分化誘導 / ドーパミン神経 / 再生医療
研究概要

本研究では、中枢神経疾患の一つであるパーキンソン病に対する細胞移植治療に貢献できるバイオマテリアルの創製を最終目標として、生体内において細胞を厳密に制御している微小環境を模倣した材料(人工ニッシェ)の創製に向けて研究を進めてきた。
本年度は、材料構築のための重要な基礎知見となる、(1)細胞生存・神経分化に関わるタンパク質の担時とその有用性に関する知見の集積、(2)材料へのタンパク質担持における細胞への局所的・選択的効果およびそれ以上の付加的効果(継続したシグナル伝達)の有無に関する評価、について研究を進めてきた。さらに、細胞移植用材料のプロトタイプと位置付けたコラーゲンベースハイドロゲルの創製を進めてきた。
まず、脳由来神経栄養因子(BDNF)およびグリア由来神経栄養因子(GDNF)をガラス基板上に担持させた2次元培養系を作製し、その上での神経幹細胞のドーパミン神経への分化について検討を行った。その結果、既存の分化誘導法よりも効率良くドーパミン神経が誘導されることが明らかとなった。また、分化誘導の高効率化には、効率良く細胞に分化誘導シグナルを与えることができていることに起因することを突き止めた。さらに、本研究代表者が開発した細胞接着性キメラ蛋白質(LG)は、グリア細胞(アストロサイト)を捕捉しないことを見出し、神経幹細胞や成熟神経の接着のみを促すことが分かった。これらの結果から、BDNF・GDNF・LGの共固定基材は、ドーパミン神経へ効率良く誘導できることが明らかになった。現在、本研究について特許の出願準備を行っており、出願後論文誌への発表を予定している。
次に、細胞移植用材料としてのコラーゲンベースハイドロゲルのin vivo評価を行った。その結果、LGを担持させたコラーゲンゲルと混合して移植した神経幹細胞は、生着率が、細胞のみでの移植に比べ、大幅に向上することが分かった。この理由として、LGを担持させることによる、細胞接着性の向上に起因することが分かった。現在本研究について、論文誌への発表の準備を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 神経栄養因子固定培養基材を用いたドーパミン産生細胞への分化誘導2010

    • 著者名/発表者名
      中路正、加藤功一、岩田博夫
    • 学会等名
      第32回 日本バイオマテリアル学会大会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル広島(広島市)
    • 年月日
      2010-11-30
  • [学会発表] 細胞接着性キメラ蛋白質担持コラーゲンゲルによる移植神経幹細胞の生存率向上2010

    • 著者名/発表者名
      中路正、加藤功一、岩田博夫
    • 学会等名
      第39回 医用高分子研究会シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学先端科学技術研究センター(東京都)
    • 年月日
      2010-07-26

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公開日: 2012-07-19  

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